住宅のリフォーム

 最近のリフォームの依頼で小さなものですが一つご紹介しましょう。

 ご依頼の家そのものは、築40年位になるでしょうか。とりたてて、住宅の改築の予定も無く過ごして来たそうですが、流し台に傷みがあったので取り替えたそうです。ところが流し台だけ新しくなると、今度は回りがあまりにもみすぼらしく見えて、台所に立つのも憂鬱に感じるようになり、そこで、近所の変わった事をしてるタイル屋さん(確かにそうですが)に相談となったのです。
 当初のご依頼は、ちょっとこぎれいな輸入のタイルでも貼れば良いとお考えのようでした。しかし、実際に現場を見させていただくと、タイルを施工する場所の面積(幅)が狭く、同じ幅ではありません。角も直角ではありませんでした。これではせっかくの絵付けタイルを切り刻まなければなりません。すっきりときれいな仕上がりは望めませんでした。そこで、当初のお考えよりは割高になりますがモザイクでの施工をお勧めしました。  まず、ガラスモザイクの材料を見ていただきました。素材がガラス製ですので色がきれいで色数が豊富なこと、掃除がしやすい事、壁のサイズにマッチする事を理解していただきました。なにより、既製の絵付けタイルと違い自由に作画、デザインできることが良いと思われたそうです。
 お客様はフクロウと猫が好きで、家の中にはフクロウと猫の置き物がたくさんおいてあります。フクロウは森の賢者とも呼ばれ、また縁起の良い鳥で、不苦労とか、福来郎と当字されたいへん好きなのだそうです。猫も、現在、体もあまり丈夫では無いので飼い猫はいませんが、一時は10匹近く飼っていたそうです。今でも通いの猫は何匹かいるそうです。
 モザイクのモチーフはフクロウと猫にしようと、すぐ決まりましたが、可愛らしい猫はあまり好きじゃ無く、ふてぶてしく少し憎らしいくらいの猫が好きなのだそうです。いろいろお話を伺いながら、遠くを見つめるフクロウ(実際には特徴のあるミミズクにしました)に、それを覗く(狙う)ふてぶてしい猫のモチーフに決めました。基調色は、汚れの目立ち方や、森の雰囲気を出す為に緑を基調色という話もでましたが、台所回りなので、やはり明るい衛生的な色というアドバイスをさせていただきご理解いただけました。白をベースに、淡いブルー・グリーン・ピンクを合わせ小さい花柄を散らすことにしました。単色より、多少の色が混ざっていた方が汚れが目立ちにくいものです。
 実際の制作で気を付けたのはあまり小さなピースを使わないようにすることでした。通常モザイク壁画などあまり掃除はしませんが、台所回りだとそう言うわけにはいきません。しょっちゅう表面を擦るわけですからどうしても剥離する可能性が増えます。当然、接着面の小さい細かいピースはあまり使いたくありません。細かい柄は、一つのピースを小さくしてゆけばモチーフの表現は楽です。あまり小さなピースをなるべく使わず形を表現するのはちょっと苦労しました。 また、モチーフのフクロウと猫の視線が、台所に立った時に人と合わないように気を付けました。いくら好きなものでも、しょっちゅう見られているように感じるのはあまり気持ちの良いものでないはずです。
 面積が小さいことと、予算の問題で、下地作りから私が施工させていただきました。もともと簡単なデザイン原画しかお見せしていなかったので、作ったシートを壁に貼付け、保護の紙を剥がした時、驚きの声をあげられたのが印象的でした。これだけ喜んでいただくと、モザイクをお勧めして本当に良かったと思います。


星の工房







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