FILMMAKER (Vol.14 No.2) インタビュー記事(抜粋)

 アメリカ在住のTravisさんから、雑誌『FIMLMAKER』をお送りいただきました(いつも貴重な雑誌をご提供いただき、ありがとうございます)。“メルキアデス〜”についての6ページに亘る特集で、トミー様はインタビューに答えています。

 

監督に興味を持ちはじめたきっかけは?
生活のためにメガホンをとったわけではないんだ。この作品は、今このときに撮りたかったから撮ったんだよ。動機はいたってシンプルで、創造欲を満たしたいということだけだった。それにそんな機会はそうそうあるものではないからね。

脚本家アリアガと一緒に仕事をしたいと思ったのは?
アリアガは、すばらしいユーモアのセンスを持っているし、博識な男なんだ。私のジョークも理解してくれる。もう3年も付き合っているからね。

すると、はじめからユーモアのある作品にしようと考えていたのですか?
そのとおり。実際、必要なときにはちゃんと入れたよ。

プロデューサーのリュック・ベッソンとは、スキューバダイビングをしながら話をしたそうですね
脚本のコピーを送って、読んでもらったんだ。それから数日後にパリにいるベッソンに電話した。「例の件について話しあいたくないか?」と。答えはイエスだった。彼がダイバーであることや、海を舞台にした美しい作品も何本か作っていることは知っていたんだ。わたし自身も海に興味があって、当時、偶然ながらダイビング用のボートを所有していた。そこでナッソーに誘ってみた。二日後には彼を空港に迎えにいっていたよ。ボートでランチを取りながら話をした。「この映画をやってみたくないか?」。彼は「やりたいね」と言った。わたしは「予算についてだが、100ドルあれば足りる」と言った。すると彼はこう答えた。「よし、金はここに置くぞ。ではプレミアで会おう」と。

100ドルで足りると?
映画の予算については、よく知っているからね(笑)

ピートを演じようと考えたのはいつからですか?
撮影初日からさ。

ピートの生い立ちや素性などを考えたりしましたか?
しなかった。言わず、語らず、さ。彼の謎の部分は、観客自身が埋められると思うんだ。演じる人物のバックグランドを想像するという作業は、役者にとってそれほど大切なものではないと考えている。「では、このキャラクターは二年生のときにどんな経験をしたと思う? 高校は卒業したと思うかい?」なんていうことはね(笑)。役者というのは、そんなことよりはもう少し複雑と思うんだ。

カンヌで主演男優賞を受賞した際、ずいぶん驚かれた様子でしたが
驚いたよ。あのような状況では、自分の意識のあることに驚くが、心は空白になるんだ。たくさんの有名人に会うし、フラッシュは瞬くし……息遣いすべてが驚きだよ。

俳優としてより、監督として賞賛を受けるほうが満足度は高いですか?
ふたつを比べることはできないね。わたしは映画の仕事をしていることを誇りに思っているし、野望ももっている。プロダクション・マネジャーやカメラマンや役者のあいだに、なんら違いはなく、みんな同じだと思っているよ。持っている力をすべて映画に捧げ、出来あがった作品の幸運を祈るだけだよ。

1st July 2006