S-VHS Hi-Fi STEREO Twin SERVO


三菱のバブル期の名機「HV-V1000」をHARD OFFにて¥4500で購入しました。もちろんジャンクコーナーからです(笑)

ツインサーボ搭載などお金をかけて作られた機種です。当時20万の価格からすれば安いは安いです。

今回は、こいつを修理します。


 

とりあえず電源ON!

購入してきた機体の状態は、外損らしきものは無し。買う時の表示で「一応、再生可能」と書いてあったので、とりあえず再生してみます。

すると・・・問題なく再生しました。では録画は・・・問題なし。

が、このまま終わらすのは面白くないので、この機種で弱いと指摘されている箇所を補修することにします。

 

 


 

電源を分解

 

 この機種は、電源基板のコンデンサが噴くことで有名です。そこで、まずはじめに電源基板をチェックすることにします。

 トップカバーをはずして、電源トランスの脇のネジを4本取り各種コネクタを外すと電源基板は簡単に外せます。

 概観は特に問題なし。

電源基板

 

 が・・・コンデンサを外してみると何やら少々噴いている痕跡が・・・(汗)負極側が黒い染みのようになっていて、足には黄色い噴出物らしいものが付着していました。

 

 やっぱり、こいつも噴いていたか・・・(苦笑)

 

 同耐圧・同容量のコンデンサと交換して電源の補修完了〜♪

 

 ちなみに交換したのは・・・

2200μF・35V・Rubycon(写真左)と

1000μF・35V・nichicon(写真右)です。

電源コンデンサ

 

 


 

基板をばらす

 

 さて、電源の補修が完了したところで、HIC(Hybrid Integrated Circuit)のコンデンサを交換するためにHICを探します。

 

 トップの基板を外すと写真の左側にHICがありました。

トップ基板を外す

 HICを外すには裏側の基板を外してHICを固定している半田を取らなければなりません。なにやら基板から外さなくてもHICのコンデンサ交換が出来るらしいのですが、今回はHICをメイン基板から外してコンデンサの交換を行います。

 

 そこで、トップ側の基板に続いて裏側の基板も外します。

 

 いや〜それにしてもこの機種はメンテナンスがしやすい!!です。コネクタを外さなくても写真のように基板をフリーの状態にできます。エンジニアがよく考えて作りこんでいるなぁと感心します。

基板がフリーになった状態

 

 


 

コンデンサを次々と交換!!

 

 と、言うわけでHICが取り外せるようになりました。HICは白いシリコンゴム(?)のようなもので固定されていますので、程よく剥がします。

問題のHIC

 

交換前 交換後

 

 HICの9本の足を固定している半田を、丁寧に半田ごてで暖めながら半田吸い取り器で取り除きます。

 次に問題のコンデンサを外します。指でグラグラやったら片方が簡単に取れました。やっぱり腐りかけていたんですかねぇ(苦笑)

が・・・もう片方は、パターンまで剥がれてしまった(激汗)

 仕方がないのでパターンを辿って繋がっているICの足に直接半田付けします。

 

 

 コンデンサの交換が完了したら元の基板に戻します。交換したコンデンサは、4.7μF35Vです。

コンデンサ交換後のHIC

 

交換前 交換後

 

 さて、ヘッドにもこの手の弱いコンデンサが付いているようなので、念のために交換します。ヘッドの取り外しは、裏側のネジを3本外してトップ側にあるヘッドアンプと繋がっているケーブル等を外せば問題なく外せます。

 

 今回はパターンを剥がさぬように半田ごてで半田を溶かして丁寧にやります。交換したコンデンサは、3.3μFです。

 

 このあと、メカ部の古いグリスを程よく取り清掃しました。全バラすると元に戻せなくなりそうなので見える部分だけ(^^;)

 

 どうやらこの機体は、消耗品交換が行われているようでベルトやブレーキシューの消耗が激しくないので消耗品系は今のところそのままにしておきます。

 

 

 


 

補修完了〜♪

 

正面パネル・操作部

 

 交換メンテナンスが終了したので、電源を入れてチェックしてみます。問題なく動作をしてくれたので、補修完了〜(笑)

 

 このデッキですが、さすがバブル期のデッキだけあって内部の作りも良いですが、操作もしやすく出来ています。ジョグの使い勝手が非常によくバーノイズが出ません。他にも色補正や画質調節機能が付いているなど充実した装備です。

 

 

 裏側の端子群です。端子は通常の入出力端子の他にCONTROL端子やEDIT端子があります。

端子群

 


 

あとがき

 

 バブル期の名機だけあって使い勝手やメンテナンス共に良い機体であると思います。今回のデッキは大きな故障が無かったために簡単に修理が出来ました。交換部品もコンデンサ4個だけと安価で助かりました(笑)

表:交換部品一覧

交換部品 個数 箇所
コンデンサ(2200μF・35V・Rubycon) 1 電源基板
コンデンサ(1000μF・35V・nichicon) 1 電源基板
コンデンサ(4.7μF35V) 1 HIC
コンデンサ(3.3μF) 1 ヘッド

わりと安価で名機が入手できたので満足しています。これからも末永く動作し続けてくれることを願います(笑)

 


 

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