(31)「間」ってなんだろう?(10 Oct 2003)
またまた書き込みが久々になってしまいました。これからは気軽に短かめにまとめようと思います。実を言うと最近新型(でもないけど)パソコンを購入して、ずいぶんスピードアップしたので快適に作業できるようになりました。
さて本題ですが、テレビで「トリビアの泉」というのが流行っていますよね。「へえ〜。」っていうやつです。あの番組のVTRのときのナレーション、例えばだいぶ前に見たのに「タイでは徴兵は、・・・(長〜い間)・・・くじ引きで決める。」とかいうのがありました。つまりこの妙に空いた無音の時間が「間」というものだと思います。これはいったいなんでしょうか?
もう一つ、これもテレビですが、「おしゃれ関係」でゲストへ宛てた手紙を古館氏が読み上げた後、ゲストの少し涙ぐんだ表情がアップになって、ゲストか古館氏が次に何か一言言うまでの無音の数秒間。それから、NHKの「プロジェクトX」でナレーションがクライマックスに達した直後、ゲストの顔がドアップになっての無音の数秒間、などなど。
つまり、この無音の「間」があると、「次に何があるんだろう?」と興味津々となって神経が集中してきたり、じ〜んと感動しているって感じが続いている時間、余韻に浸る時間があるわけです。これは音楽にも特に重要だなと最近思うようになりました。この間があるのとないのではえらい違いがあります。
例えば、好きな人から「私ねえ実はあなたのこと・・・・・・・・・・・・・好きなの!」と十分間を取って言われるのと、「私ねえ実はあなたのこと好きなの!」と全く間がなくスラスラ言われるのと、どっちがより感動的でしょうか? やっぱり「間」があった方がうれしいですよね。不思議なもんです。たったこれだけのことで。
でも、どういう所にどれだけの「間」を入れるかはセンスの問題ですね。それが才能というものなのかな? 一応、理屈としては、その前にどれだけエネルギーを蓄えたかにより、どれだけの間を取るべきかが自然に決まるようです。そう考えるとやっぱり「トリビア」のナレーションにある「間」は妙に長過ぎると思うんですけどね。ちょっとわざとらしいなあ。一方「プロジェクトX」の「間」はGoodだと思います。
(追加)
今、所属するオーケストラでラフマニノフのピアノコンチェルト第2番を練習しているのですが、終楽章に大きな「間」があり、そこのピアノを聴く度に「走り幅跳び」を思い出します。わかるかなあ。気合いを入れてスタート、徐々に加速、全力疾走の末スピードの頂点で踏み切り、高く舞い上がり無音で空中遊泳(まるでスローモーションを見ているように)、着地!! その後の世界新記録で沸き上がるスタジアム。。。なんてね。もしもコンサート聴きに来ても、本番中に思い出して笑わないようにお願いします。